海外で目の前の外国人を助けられなくて泣きかけた話

こんにちは、旅行好き大学生のかずき(@kiyoc1220)です。
本記事では、一人旅中に海外で起こったとある出来事について綴ります。

 

 

マニラ空港にて

ドバイに向かう途中に乗り継ぎで利用した、フィリピンのマニラ空港での出来事です。

マニラからドバイ行きの飛行機に乗るため、マニラ空港に余裕を持って出発の3時間前に到着しました。

いざチェックインしようと思いカウンターに向かおうとしたところ、一人の欧米人が話しかけてきました。

「Help me….」

空港まで来て物乞いか?と最初は思いましたが、見た目全く貧しそうには見えないおっさんでした。
とりあえず話を聞いてくれと言うので、時間に余裕もあったので話を聞いてみることにしました。

そのおっさんから聞いた話を以下にまとめます。

マニラ到着の飛行機から降りる時、座席に貴重品や携帯等が入ったかばんごと忘れてきて、誰かに盗まれてしまった。
今はリュックしか持っていない。
乗り継ぎ予定の飛行機にかばんがないまま乗るわけにもいかず、空港のカウンターでやり取りしていたら飛行機に乗れなかった。
カウンターでは結局全然相手にしてくれず、全く対応してくれなかった。
俺はカナダから来た大学の講師で、化学を教えている。
今からシンガポールに学生を教えに行くつもりだが、それに間に合う代わりの飛行機の出発まであと2時間しかない。
この飛行機に乗れなければ、講義をすることができないし、携帯もないので連絡を取る手段もない。
でも、リュックに入れてたお金だと飛行機代が2万円ほど足りない。
だから、2万円を貸してほしい。
無理なお願いなのもわかってる。
フィリピン人は全く相手にしてくれない(途上国の人たちはお金がないのは当然だろう)。
だからこうやって外国人に頼んでる。
優しい日本人だったら、お願いを聞いてくれないか。

 

 

お金を渡すかどうか

お金を貸してくれというような話を聞いたら、当然疑ってかかります。

しかし。大学の講師証や乗ってきた飛行機・乗る予定だった飛行機のチケット、パスポート、リュックの中身などを見せてもらっていると、どうやら話は本当だろうということがわかりました。

それでも、じゃあ2万円を渡そう、とはなりませんよね。

僕はこの時まだ一人旅が始まったばかりで、この後3週間の中東旅行が控えていました。
途上国中心の旅行で、その行程の中にはイランという国が含まれていました。

イランというのは特殊な国で、周囲のイラクやシリアと違い治安はかなり良いのですが、アメリカから経済制裁を受けているためクレジットカードが全く使えず、入国の際に他の国から現金を多く持ち込まなければならない国でした。

そんな国に行く前に、キャッシングできるとはいえ2万円を旅の序盤で失うことはかなりリスクがありました。

その上、2万円を貸してくれと言われても、現金は送ることができないので返してもらうことはできません。

そのことを伝えたところ、

「ダイビングはやるか?やるなら後日ダイビング用具をカナダから家に送ってあげるから」

と言われました。

ダイビングは何回かやったことあり、あったらまあ使うかもしれませんが、別にしょっちゅうダイビングをやるわけでもないので、家にダイビングセットを送られてもなぁ…という微妙な気持ちと、本当に送ってくれるのか半信半疑な気持ちもあって、心は動じませんでした。

お金は貸せないと判断し、まず大使館に行ってみたらどうか、と伝えました。
大使館なら、連絡を取ってくれたり、お金を工面してくれて帰国させてもらえると思ったからです。

しかし運が悪いことに、この日は土曜日で、大使館は月曜日になるまで開きませんでした。

月曜日まで2日間空港で寝泊まりしてもらうわけにもいきません。

そこでお金を貸してもらえないなら、とりあえず連絡を取りたいから携帯を貸してくれと言ってきました。

ここでさらに運が悪いことが起きていました。
このマニラ空港は、かつて世界でワースト空港になったこともあるくらいなので、無料公共Wi-Fiがないのです。

僕はフィリピンのマニラに半日しか滞在しておらず、SIMカードも購入していなったので、連絡手段がありませんでした。

この人を救うには、いよいよお金を貸す以外の選択肢がなくなりました。

ここで、とある思い出がよみがえってきました。

 

 

2年前のモロッコ旅行での出来事

かつて、アフリカのモロッコという国を旅行していて飛行機を乗り過ごした時のことです。

このモロッコ旅行は、実質僕自身初の途上国旅行でした。(いきなりアフリカに行ったのは今思えば無謀でしたが

全く旅慣れしていないのにも関わらず、この旅行の最終日だけは一人行動だったのですが、
その日の朝は空港からかなり離れた都市におり、空港への電車も3時間に1本しか来なかったため、始発の電車に乗らなければ飛行機に乗ることができない、という無茶苦茶なスケジュールを組んでいました。

時間に余裕を持ち早朝ホテルを出て、近くの駅までタクシーをつかまえていきましたが、この日はたまたまイスラム教の祝日。
メーターがないタクシーの交渉術すらロクに身につけていなかった僕は、休日早朝料金だと吹っ掛けられ自分の持ち金以上の金額を請求されました。

途上国なので、当然のことながらクレジットカードは使えません。

「乗る前は〇〇円って言っただろ!」

といくら言っても応じません。
ぼったくられたのです。

現金が足りず、そんなこんなで交渉していると余裕だったはずの電車に間に合わず…。

電車に乗り過ごした結果、飛行機に乗り過ごすことが確定し、さらに一文無しという人生最大のピンチに陥りました。
しかもその電車の切符も、空港までではなく、途中の乗り継ぎ駅までの切符しかあらかじめ買うことができていませんでした。

つまり、空港にすらたどり着ける見込みがなかったのです。

「日本まで生きて帰れるのだろうか…」
「アフリカで死ぬのか?俺は」

僕は、駅で絶望感に浸りながら、次の電車が来るまでどうすべきか必死に考えます。

その結果、とりあえず手持ちの切符で空港までの途中の駅まで行き、そこで降りて誰かにお金を貸してもらおうと決めました。

現地人より外国人の方が話を聞いてくれてお金を貸してくれる可能性が高いと思い、その途中の駅で片っ端から外国人、特にアジア人に話しかけまくることにしました。

今思い返せば、先ほどのカナダ人と同じ発想をしていましたね。

話しかけ始めてすぐに、なんと日本人のおじいさんが現れました。
アフリカの地方にある、観光地でもない誰も来ないような駅に、です。

僕は事情を全て話し、お願いしました。

すると即答で、いいよと、お金を貸してくれました。

電車賃は日本円で500円程度だったと思いますが、見ず知らずの人に見返りもなくお金を貸してくれる人がいることに感動で胸がいっぱいになり、全力で頭を下げて、ありったけの感謝の気持ちを伝え、電車に乗り込みました。

もう電車では涙が止まりませんでした…。

その結果、空港まで行くことができ、別の飛行機のチケットを取って帰国することができました。

あのおじいさんは、僕の命の恩人です。

今思えば連絡先を聞いて後日お礼をすべきだったととても後悔していますが、実際そんなことを考える余裕もありませんでした。

窮地に立たされた時、絶望に浸っている時に触れた人の優しさというのはとても心に染みます。
この出来事は、今の僕の性格にも影響を与えていると思います。

人生のどん底を一度経験すると、さまざまな出来事、他人に感謝できるようになる、というのは本当です。

今思い返せば、お金で買えない貴重な経験ができて良かったとまで思えます。

 

 

悩んだ結果

話を戻すと、僕にはこのような経験があったので、先ほどのカナダ人の気持ちが痛いほどわかりました。
気づいたら僕自身も涙目になっていました。

実際、数千円程度ならパッと渡していたと思います。
しかし、格安の飛行機で旅行しているような普通の大学生には、さすがに厳しい金額でした。

本当にひたすら迷いましたが、結局、他の人をあたってくれとお断りしました。

とてもつらかったですが、僕に話しかけさえしなければ起こらなかった出来事だから…と開き直って忘れることにしました。

しかし、ドバイ行きの飛行機に乗ったあたりで、やはりそのカナダ人の行方が心配になりました。

「無事飛行機に乗れたかなぁ… それとも空港で2日間寝泊まりするのだろうか…」

やっぱり2万円を渡していたらよかったのかなと何度も考え、泣きそうになりました。

結局僕は優しくしてもらってばかりで、他人には冷たい人間なんだなと、自分を責めました。

僕にはできませんでしたが、

同じ状況だったらみなさんは、どうしますか?

 

海外で目の前の外国人を助けられなくて泣きかけた話」への1件のフィードバック

  1. 我が身を顧みず人助けができる。できる人が少ないから感動を呼ぶ。そういう人こそ周りを変えていく存在感のある人なんだと思います。
    スーパーボランティアのおじいちゃんみたいに(^_^)

    読んだ話の限りでは、あなたは、分相応な選択をしたと私は思います。

    それをどう感じるかは個人の価値観とか考え方次第で、詐欺の可能性も否定できない中、助けなかった後悔を2万円で買えるかどうかですよね。
    カナダ人旅行者も自分の落ち度を悔やみこそすれ、あなたを恨むことはないでしょうし。それが大人ってもんです。
    まだお若いので、人助けはできることからでいいと思いますよ。
    アフリカで受けた恩を返す場面はこれからいくらでもあるはずです。

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